女性が一人、酒とつまみを注文し時を過ごす
最後の品を運んだあと
泣いている様子が見えた
そしてグラスを追加した
「献杯したくて」
と泣きながら言ったので事情を察し、ティッシュボックスをテーブルに置いた
帰りがけ
「お気遣いありがとうございます」と彼女は言った
私はありきたりな返事でそれ以上は尋ねなかったが
今日ここで久しぶりに会うはずの友が死んだといいながらまた涙が頬を伝った
今日初めて会った人だけれど
もらい泣きした
注文したものはすべてきれいに食べたその人の人生も、また、きれいだと感じた