数日前から、また夢を見るようになった。
少し、余裕でもできたのだろうか。
昨夜の夢は、悲しく幸せな夢だった。
かつて、結婚しようとして、いつの間にか離れ離れになってしまった人と再会、そして、今更、ふたり、結婚しようという運びになるというものだった。
なぜ再会したのかは、わからない。
そして、青山あたりの空き地に、キャンピングカーのようなものを置いて、キッチンカーのような商売を始めるという。
一度も、はっきりと言われたことのなかった、結婚しようという言葉を夢の中で聞いて、心から幸せだった。それが、現実でないということは、わかっているけれど、それでも、うれしかった。
互いに老齢になっているけれど、夢の二人は若いままだった。それなのに、気持ちは ちゃんと老いていて、子供は望めないけれど、それでも二人でいようというものだった。
彼は、どうしているだろう。
健康に暮らしているだろうか。
知る術はない。
知る必要も、義務もない。
疾うに過ぎた日々。
それなのに、懐かしく、穏やかな気持ちになれた一瞬。
夢を見せてくれた何か、ありがとう。 たとえ、夢だとしても、私にその言葉をくれて、ありがとう。
拓郎さんが好きだった